11人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、ありがとうございます……。」
彼は湯から足を引き上げ、濡れたまま裸足で私を助けてくれていた。
「良かった……!!
怪我はありませんか?」
暗がりの中でもわかる。
優しく垂れた目と高い鼻が、東屋の下に放置されたノートパソコンの光によってくっきりと浮かび上がっていたからだ。
言葉も態度も、昔と同じ。
紳士的で大人びている。
できるなら、こんな人と結婚したかった。
「では、お気を付けて。」
最初のコメントを投稿しよう!