伊豆の踊子 天城の紳士

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「結婚……かぁ。」 ずっと避け続けてきた。 だけど、もう私は結婚適齢期を迎えている。 売れ残りにはなれない。 いつか子どもを生んで、私はこの伝統芸能を子孫に伝えていかなければならないから。 今年がタイムリミット。 そう、自分の中で決めていた。 28歳になってもこの恋が叶わなければ、もう諦めて縁談を受けようと。 「ちょっとジュース買ってくる。」 喉が渇いた。 もう売店は閉まっているはずだけど、たしかロビーにはドリンクの自動販売機があったはずだから。
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