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この旅館から少し歩いたところにある東屋。
その下には足湯があり、私は毎年、この修善寺温泉を訪れると、気まぐれにその場所へ足を向けていた。
もう、夏は終わりに近付いている。
日が短くなり、夜に向かう外の風は、涼しいというより寒く感じる程だ。
ふらり、ふらりと、オレンジジュースを片手に東屋を目指す。
浴衣姿で歩く観光客。
その足は温泉街にある土産物屋や遊技場へと向かい、日中は賑わっているはずの東屋はもう閑散としていた。
でも……――――――
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