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同じ５月３０日の夜
出産予定日より早く産気づき、緊急搬送されたのが、天王寺家の娘、葵だった。
天王寺家当主の由香里は葵に付き添い、帝王切開で可愛い女の子が生まれた。
天王寺家当主の由香里
葵、なんとも可愛らしい女の子を産んでくれて、ありがとうね。
娘の葵
ママ、この子の名前は決めてあるの。
桜子よ。
当主由香里
葵が決めたのなら、ママ反対はしないわ。
そこへ婿の聡士がかけつけた。
聡士
葵、可愛い女の子じゃないか。
ママみたいに美人になるんだぞ～
葵
聡士くん、桜子よ。
きっと私に似て美人になるわよ～
パパ、悪い虫が付かないように、よろしくね。
聡士
あたりまえだよ～
桜子ちゃ～ん パパだよ～
葵
聡士くん、ママ疲れてるから、家に連れて帰って、寝かせてね。
バラのハーブティーだからね。
ママ、明日はパパと来てね。
聡士くん、お義母さんとお義父さんに、明日知らせて、連れてきてね。
聡士
父さんと母さんも喜ぶよ。
じゃぁお義母さん帰りましょう。
葵、ゆっくり寝てね。
聡士は由香里の経営する会社をいくつも任せられてる社長だった。
葵は留学して帰国祝いのパーティーで、３つ年下の聡士を見初めた。
聡士の両親と由香里は昔から仲が良かった。
聡士の父隆士と由香里の夫、司は幼なじみであり、聡士の母美樹とは、仲が良かった。
葵から聡士を婿にしたいと聞くと、すぐ隆士に話をして、長男の聡士を婿にと申し込んだ。
隆士と美樹には次男の勇士もいたので、婿に出したのである。
聡士は憧れのお嬢様、葵から見初められたのが嬉しく、葵の尻に敷かれていた。
葵の父、司は大変優しい人だったが、たまたま自分で運転していた時に、交通事故にあい、亡くなっていた。
葵の２０歳の時である。
当主由香里は今で言う癒し系の美人で、葵も癒し系の美人だった。
ただ、葵は語学堪能で、母由香里の秘書をしていたので、凛とした美しさだった。
ただ…葵は、パーティーであった楓と仲良くなり、楓と葵は病院の帰りにお茶をするなどと交流があった。
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