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数週間ぶりに開けたカーテンから一気に差し込んでくる日差しに眉をしかめながら、窓の鍵を開ける。
そのまま勢いよく窓を開け放ってなだれ込んできた風が真夜の長い黒髪を揺らし、
『無駄だよ?』
不意に、聞いたこともないような冷たい声が響いた。
あまりにも温度のない、鋭い音にびくっと真夜は動きを止めた。
画面に目を向けると、そこにはじっと動きを静止させて画面越しのこちらを見つめてくる死神の姿。
『真夜ちゃん、一度このゲームに参加したらリタイアはできないよ?
唯一できるとしたら、それは真夜ちゃんが死ぬ時だよ?
もしかして、死にたいの?
なら本体を壊すのは、止めないけど』
「な、なに言ってんの!こ、殺すってこと?!」
『うん、ホラ。ボク死神だからさっ!』
「ば、バカじゃないの?!そんなの無理に決まってるでしょ?
大体殺人なんて犯罪だし、バカげてる!
ただのゲームごときがっ、」
『真夜ちゃん、おバカさんなの?
このゲームがどうやってキミに届いたか、
思い出してみてよ?
少し考えればわかるでしょ?』
淡々と語られる死神の言葉に、真夜の表情は完全に固まった。
恐怖で唇は震え、顔からは血の気が引いていく。
――――ありえ、ない。
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