第一章 選択

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「ち、ちし……せい?」 『ウン、明後日には死ぬよ?』 「な、なに……言って、」 『今日中には体が動かなくなってくよ?』 「ば、バカじゃないの……?」 『ちなみに、解毒剤は現代の医学では開発されてないよ?』 「……だから、そんな、」 『まぁ、もうそろそろ足が動かなくって来るから、あったとしても病院まで行くのは無理だと思うけど』 「そんな……非、現実……てき、な」 『それに、もうしゃべれなくなってるでしょ?』 「こ……と…………、」 『真夜ちゃんが、悪いんだよ?』 ドサリと、音がして、真夜の体が地面へと吸い込まれていく。 両足に力が入らず、激しい痺れが全身を襲う。 ――――ありえない。 震える唇の奥に潜む舌は、痙攣をおこしてまともに動かなかった。
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