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『やっほー!初めまして!
ようこそ、The game of sacrificeへ!
僕は君のナビゲーターを務めるグリムちゃんで~す!
どうぞよろしくねぇ~』
そのメッセージが消えて、再び真っ暗になった画面に飛び出してきたのは、よくある死神をモチーフとしているのか。
黒のフードマントを被って大きな鎌を持っている、ちょうど人差し指の平程度のちっちゃいキャラクターだった。
「え……、は?」
またもや突然の新キャラクターの登場に、彼女は口を半開きにして画面を食い入るように見つめた。
やっぱり、夢じゃない。
わたしはこのゲームに登録してたんだ。
激しく動揺する少女を無視して、“グリムちゃん”と名乗ったキャラクターは、両目に相当する黒い丸を三日月形に細めながら、くるくると上機嫌に回転し始める。
『いやぁうれしいよぉ!待ってたよ~ボクのパートナー!!
じゃあまず手始めに、名前を聞かせて欲しいなぁ!
そうそう、本体はボイス認識機能がちゃぁんとついてるから、
声出してくれたら聞こえるからね!』
くるくるくねくねとダンスのような妙な動きをするそれのなめらかさに、彼女は妙に不安になった。
真っ暗な画面で死神を象ったそれが妙に不気味に見えるのは、―――気のせいだろうか。
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