第2章

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有栖川を睨みながら、ずるずると後退する。 一方の有栖川は僕の睨みなんか痒くもないというふうに、変わらず大股で僕に詰め寄ってくる。 トンっ、と背中が壁に当たった。 もう、後ろには下がれない。 そんな逃げ場がなくなった僕を嘲笑うかのように、有栖川が壁に両手をつき、僕を閉じ込めた。 「もう、逃げれないな??」 馬鹿にするように楽しそうに笑う声が、目の前に落とされる。 い、嫌だ!!!!!!!!!! 僕はモルモットなんかじゃないっ!!!!!! 咄嗟に僕は、横に立っていた点滴を吊るすようなスタンドに手を伸ばし、有栖川に向かって思い切り投げつけた。 油断していたのか、スタンドが有栖川の頬に命中した。 「ッつ……。」 有栖川は少し眉間に皺を寄せ、顔を歪ませた。 しかしそれも一瞬のことだった。 ダンッと僕を壁に押し付け、有栖川は首を思い切り絞めてきた!!!! 「かはっ………ぐぅっ!!」 「手荒にされたくなかったら、大人しくしてくれないか。」 気圧の下がった低い声で、有栖川が怒っていることが分かった。 首を絞められ酸素が全く入ってこない苦しさに視界が歪んでくる。
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