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こっ、これなんのニオイ!?
この香り、ヘンになる!!!!!!
香りは息が詰まりそうなほど濃くて甘い。
理性を押し潰して、僕の熱をどんどん高めていく。
妖美や魅惑とかじゃない。
そんなものじゃない。
そんなものじゃ足りない。
もっともっと淫靡で尾篭(びろう)で、身体の芯ごと揺さぶられるような強烈な香りが、僕を熱く淫らに蝕んでいく。
━━━━━━欲しい。
何を求めているのか自分でも分からないけれど。
欲しくて欲しくてたまらない。
今すぐもらわないと、死んでしまう。
でもそのもらう『何か』がわからない。
「なにっ、やっ、ハアっ、これっ……!?」
「『CUBE』は言わば細胞侵食ウイルスみたいなもので、お前が飲んだのはラビット型だ。
その細胞元のウサギはジャパニーズ・ホワイトの『メス』。
そして俺は今、自分にウサギの『オス』のフェロモンを抽出したものを自分にかけた。
つまり━━━━━
お前が欲しがってるのはこの俺だ。」
有栖川は心から楽しそうに口を歪める。
傍から見れば、笑ってるようにも見えるかもしれない。
視界が滲んで、ハッキリ見えないけれど。
「確か、菜乃、と言ったな。
菜乃。
━━━━━━俺が欲しいか。」
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