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≪A・ストリーク≫や≪Z・サイクロン≫など、連続攻撃系のスキルは総DPSは単発のそれに比べると大きいものの、スキルの中での一撃一撃の威力は≪スラッシュ≫や≪サーキュラー≫など単発系統のスキルに軍配が上がる。
連撃系のスキルでも当然攻撃を受けることは出来るが、攻撃力の高い相手の攻撃を受けるのには少々不向き。
破られる可能性を1パーセントでも減らすためにも、なるべく単発のスキルを使いたいところだ。
アルマダの指示に二の句もなく従い戦線から少し離れた場所に移動すると、俺は慣れない白魔法の詠唱を始め、俺とディエゴに≪HPリジェネ≫≪ATK強化≫≪DEF強化≫の支援効果(バフ)をかける。
「相変わらず多芸だな、お前は」
「俺の熟練度じゃあって無いような効果しか出ないけどな。不安ならPOTを飲むか後でルナにかけ直してもらってくれ」
三度に分けて支援魔法をかけると、ディエゴは俺の多芸に小さく感嘆の声を漏らす。
多芸と言っても、魔法に関しては俺は熟練度があまり上げられておらず効果はルナの魔法に比べると頼もしさに欠ける。
改めて今現在戦場を駆け回り、たった一人で三十人近くのプレイヤーの後方支援を担う規格外の相棒の頼もしさを実感していると、戦場の方でプレイヤー達のどよめきの声が上がった。
「攻撃隊は一度下がれ!ヘイト操作のスキル持ちはスキルを使ってヘイトを下げながら後方待機!STR型は転んだ奴らを戦線から引きずり出せ!」
「防御部隊前進!二人以上で組んで確実に攻撃を止めろ!あのバカ二人を真似して無理に行動停止を狙わなくてもいいが、とにかく後ろにだけは抜かせるなよ!」
声の方に視線を向けると、ディエゴのスキルによって無理矢理地面に叩き落されたテレウスが行動停止から復帰し、一度翼を大きく羽ばたかせて再び宙に舞い上がるところだった。
テレウスが羽ばたくと、彼らの周囲に強風が発生し、近くにいた楽園、剣闘士サイドのプレイヤー数人が風に足を取られ、転倒する。
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