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燃える車の中
冷たい目で見られる教室の中
誰もいない家の中
そっか、俺は最初から独りだった。
誰も助けが来ない暗い所にいるんだ。
そして俺はまた独りに戻ったんだ。
目を開けると外は暗かった。
あの日から祖父さん祖母さんの住んでいた家を売り、今は少し古いマンションに住んでいる。
アルバイトでお金を貯め高校生活を送っていた。
理緒「俺は、これからどうなるんだよ。祖父さん。」
俺の部屋に飾っている祖父さんと祖母さんが一緒に写っている写真を眺めながらそう呟いた。
もちろん、返事が帰って来るわけもなく俺は、マンションを出た。
祖父さん祖母さんが亡くなってから2年がたった。
18歳になり大学に向けて勉強している頃だった。
いつもどうりバイトを終わらせて家に帰るとこだった。
道は人通りが少なく街灯の光が俺を照らしていた。
優希「おい、理緒。」
理緒を呼び止めたのは中学の時から一度も会っていなかった優希だった。
しかし、体中ボロボロで顔に大きな痣が幾つもあった。
表情もとても暗く、絶望した目つきをしていた。
理緒「ッ?!、優希どうしたんだ、その顔。一体何があったんだ。」
優希「…………、どうしたも、こうしたもないんだよ……ぶ、ぜんぶ、全部全部全部ゼンブお前のせェーダァーーーー!!!!」
優希はポケットの中に忍ばせていたナイフを手で掴み矛先を理緒に向けて走ってきた。
理緒にはそれがゆっくりと見えた。
理緒にはわけがわからなかった。
いつも楽しそうにしている優希があんな怖い顔を初めて見た。
優希は俺の何に怒っているのか。
なぜ?なぜ?理緒の頭は恐怖で渦巻いていた。
気づいたときには、もう……………
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