徳山理緒 ~暗黒~

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理緒「ッ!?…………夢…か。」 俺は目を覚まし、勢いよく上半身を起こした。 背中は汗でびっしょりだった。 その時、針で腹を貫いたような痛みが走った。 その痛みで再び上半身がベットに戻った。 上を見上げれはそこには白い天井があった。 俺はまた病院にいる、と自覚させられた。 俺は優希に刺されてここに運ばれた。 とても酷い夢を見た気がする。 そう言えば優希はどうなったのか。 やはり捕まったのか。 優希は俺を刺した。 なんで……………… 理緒の予想通り優希は捕まり有罪だったそうだ。 警察の事情聴取の結果、 優希は高校でいじめを受けていたことが分かった。 そして全部理緒のせいだと意味不明なことを発言した。 いじめで気持ちが病んでしまいあの行動に出てしまったことらしい。 でも優希が病んだとしても俺を刺した事実は変わらない。 現に俺は深く傷ついた。 きっと優希はいまでも俺を恨んでる。 一体、お前になにしたって言うんだよと叫びたかった。 でもあの日から毎日のようにあの夢に出てきて、泥の優希は 「オマエノセイダ」 「ゼンブオマエガワルイ」 「オマエサエイナケレバ」 それが何度も、何度も繰り返し出てきた。 理緒は日に日に、精神が病んでいった。 そして退院した後、高校もバイトも行く事ができなくなり、1ヶ月も家から出なかった。 隣に住んでいる住居人が異変に気付いて警察に通報した。 発見されたときには俺は昏睡状態だった。 直ちに病院に運び一命は取り留め、精神科へ運び心のケアを行って前よりよくなった。 あれから優希の夢は見なくなり精神は安定し、体力も回復した。 しかし、高校はやめた。 人と付き合うのが怖くなった、もう優希を思い出したく無かった。
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