第六章:君がための微笑み

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 瑤子は思いきって口を開く。 蒼との美術室での写真を、撮られていたこと。 そして、その写真と引き換えに、モデルを依頼されたことを。  尚斗は瑤子の話を聞き終えるとしばらくのあいだ、眉をひそめていた。 …瑤子の注いだ麦茶を口にする。 「……その、モデルって、具体的には何も聞いてないんだ?」 「自分の作ったセットがどうのって言ってたけど…… それ以上の詳しいことは、聞いてないわ」 「じゃあ、その撮影にオレが付き添うってことで、折れてみようよ。 そうすれば、変な真似するようだったら、オレが止めることもできるし。  ね?」
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