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バージルさんがほっとしたような笑顔で出迎えてくれた。
「留守にするのは一向にかまいません。ただ私もこう見えてヒマじゃないんです」
バージルさんは言った。
「そうかな。ルクマデス教授以外に誰も来なかったんでしょ?」
と、わたし。
バージルさんはうなずいたが、
「私はそろそろ会社に戻らないと。それに家には妻と子どもが待ってるんです。あと私の担当するダンジョンマスターは他にも何人かいまして、彼らにも会わないと」
さっと腕時計を確認して言った。
「会社が最優先なんだ。困ったな」
わたしは腕組みした。
「バージルさんみたいに、優しくて、イケメンで、ダンジョン作りに詳しくて、モンスターにも詳しくて、留守番ができる人なんて、そうそういないもの」
わたしは片手をあごにあて、バージルさんをチラ見しながら言った。
ルクマデス教授なら率先してやりたがるかもしれない。
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