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すると突然、1人の少年が現れた。
わたしより背が小さく顔も幼い。手足も体も棒のように細い。
「きみがコンシェルジュ? 大丈夫なの?」
わたしは言った。
「心配は無用だぉ」
少年は胸を張って言った。が、サラサラの前髪で目が隠れていて、表情がわからない。
かっちりした白いシャツに濃紺のパンツを着用していて、一見まじめそうだけど。
不安だ。
「大魔王もビックリの一大迷宮を作ってあげるぉ! ドーンと任せるんだぉ!!」
少年はこぶしで自分の薄い胸をドーンとたたいた。
が、すぐに体を丸めて咳き込んだ。
不安どころかダメそう。
「DPで直接お金を作った方がよくない?」
わたしはバージルさんに言った。
「DPはダンジョンポイントの略。何でも作れる特殊なエネルギーですが、換金は無理です」
バージルさんはあっさり否定した。
対するわたしは何も言えなかった。
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