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突然、耳障りな警告音がダンジョン内に鳴りひびく。
わたしは飛び上がるほどおどろいた。
『侵入者あり!』
コアの声が心なしか緊張している。
「侵入者って何者!?」
わたしは入口の方をにらみつけた。
少年がわたしにしがみついてきた。不安そうな顔でわたしを見上げる。
わたしも不安だ。心臓が暴れて痛い。
わたしは剣に手をかけ、再び入口を見つめた。
靴音をひびかせて人影が遠慮なく近づいてくる。
何のことはない。人影の正体はルクマデス教授だった。
わたしはほっとして剣から手を離した。
「マキナさん、そちらの少年は?」
ルクマデス教授は言った。
「えっ! あ! えーと、デ、デウスっていうんです! デウス!!」
わたしはとっさに思いついた名前を言った。
ルクマデス教授が眉間にしわを寄せる。
ヤバい。なんか疑ってる!
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