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「デウスだぉ?」
少年がわたしに聞き返す。
「デウスって『神』という意味でしょ。デウス・エクス・マキナってのがあるけど、この場合、直訳したら『マキナさんの神』?」
ルクマデス教授は片手で口を押さえて言った。肩が小刻みにふるえている。
なんだ。笑いをこらえてるんだ。どの辺が面白いのかわたしにはわからないけど。
「デウスはえらいんだぉ? ダンジョンのことはデウスにおまかせだぉ!」
少年・デウスは急に自信たっぷりに胸を張って言った。
ルクマデス教授も笑いを引っ込めて背筋を伸ばす。そしてひざまずいて目線の高さをデウスに合わせた。
「でしたらぜひとも研究させていただきたい! 学生たちにも実際のダンジョンを体験させたいし! ああ、もちろんタダでとは言いません!!」
ルクマデス教授は言った。どこに隠していたのか、宝箱と薄汚い子どもを取り出す。
「ぼくの手作りの罠と、捕獲したモンスターです! どうぞお納めください!!」
ルクマデス教授はプレゼントをデウスに差し出した。
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