81人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
ゆうとside
「はぁっ…はぁっ…」
辺りが暗くなっても、ゆうりくんが帰ってこない。一緒に住み始めてこんなことは一度もなかった。
ズキンズキンと目が疼く。嫌な予感しかしていなかった。
「…はっ…」
走って探していると、真っ暗な景色の中、火があがっていた。
「…ゆうり、くん…」
公園の敷地内に入った途端、凄い異臭が鼻をつき、思わず腕で鼻を押さえた。
近づいて分かった、地面に転がった丸焦げの遺体。3人も…
空いている片手を遺体の身体に置き、眼帯を外した目で頭から足までゆっくりと見た。途端に遺体は灰となって姿を消した。
全て終えると、燃え盛る炎に包まれた彼の元へ行った。この炎は生魂、もしくは死魂にしか見えない。遺体が燃えたのも、火が出ずに突然焦げ出したように見えるはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!