第2章

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家に着いた頃には、彼を包んでいた炎は消えていた。 「消毒液、持ってくるね」 部屋着に着替えた彼を確認した俺は、一階にある救急箱を持って彼の部屋に戻った。 彼はベッドに座っていた。力を使ったせいか、彼の瞳はいつも以上に赤く、痛みはないのかと心配になった。 「…やっぱりぼくは…きみのパートナーには…むいてないみたいだ…」 はっとして彼の背中を見ると、証印が綺麗になくなっていた。目が疼いていたのは証印が消えたからだったのか。 「…燃えてたのって」 「…ゆうとくんと…仲良しな…」 その言葉を最後に彼は再び泣き出した。殺してしまった、と。やっぱりあいつらだったのか… 「…ごめんねゆうりくん。今日はもう休もう」 手早く消毒をして絆創膏を貼って、彼をベッドに横にした。 「…がっこうは…もう…いかない…」 「…分かった」 ふわりと毛布を掛けて彼の目から零れる涙を拭うと、気を失うように眠りについた。
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