第2章

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「これだけでも食べて?」 ゆうりくんのご飯には、睡眠薬を入れるようになっていた。いつまでも起きているから。寝ようと言っても、寝ないから。 ご飯を食べさせて、部屋を出て、明日の準備が終わった頃にまた彼の部屋に戻ると、彼は眠っている、というパターンになっていた。 「…おやすみ…」 床で眠る彼をベッドに移す。もしかしたら彼は気づいてるかもしれない。俺が薬を入れてること。だけどそうしなきゃ彼が消えてしまいそうな気がして…そんな気がして… いつもリビングでそのことを考えては涙が流れた。
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