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「上からの命令だ。変えることは出来ない」
目が痛い。ゆうりくんを抱きしめたまま、ぎゅっと目を押さえる。
「…あ、あっ…」
「ゆうりくんっ…!」
一瞬にして強張った彼の身体は赤く燃えていた。嘘だ、これは夢だ。苦しそうに、彼の口から小さく声が漏れる。
「ゆうりくん、ゆうりくんっ…」
必死に灰で彼の身体を覆う。しかしどんなに頑張っても彼を包む炎は消えることはなく、数分後に彼の姿はなくなった。
「…返してよぉっ…ゆうりくんを返してよぉっ…!」
その光景を眺めていた男に泣きながらしがみついたが、俺の力が敵うわけもなく、肩を強く押され床に叩きつけられた。
「新しいパートナーを探せ」
その言葉を残し、それは姿を消した。
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