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日に日に身体はおかしくなっていった。視界がぼやけたり、身体に力が入らなくなったり。咳をして口を押さえた手のひらに灰と混じって固まった血がついた。
限界だった。
身体が自然と床に倒れ、抱きしめていたスプレー缶がコロコロと転がり目の前で止まる。
こんなはずじゃなかったのに。ずっと…ゆうりくんと二人で…一緒にいるはずだった…
目の前に黒い靴が現れ、俺の前にしゃがんだ。ゆうりくんかと思ったが、違うみたいだ。
ぐいっと顎を掴まれ、目の前の人の顔に俺の顔を動かされた。それはゆうりくんを連れて行った人だった。
「…か、え…し…て…」
「新しいパートナーを探せと言っただろ」
そんなの俺には必要ない。また、涙が零れる。
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