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星は悩みました。悩んで悩んで、そしてついにその火が来ました。
悩んでいた時間が長く、探していた場所も遠かったのですね。
火は最初に星に逢って言いました。「こんにちは。」
星はよく判らなかったしビックリしてたけど、「こんにちは。」と、
頑張って返事をしました。星が最初に言った言葉。
だから、世界に最初に生まれた言葉は「こんにちは。」
*
でも、その火は太陽では無かったんだよね。
―― そう。その火は太陽で無かったの。
ちゃんと、覚えてるよ。それが星の火だったんだよね。
―― うん。七色にクルクルと変わる自在な火。
けれど、その火が星に入るまでは随分かかったんだね。
――それは当然だから。何も無い一つの火だからって、
勝手に星へ断りも相談もなく、入っていい事にはならないから。
駄目って言われていないのにね。
―― 駄目な場合は無理やり入っても、何も無いしからね。
そこは本当の無で闇、前に話した無闇って何もないから。
でも、星は火と仲良くなった!
―― そう。星と火は仲良くなった。
僕と貴女のようだ。
―― 私と君のようにね。
*
それからだ。世界も宇宙も複雑になって、密度が上がって。
何もかもが難しくなってしまうので、なるべくシンプルに。
火が届く熱量や明るさを調整し始めた。星には解らない。
けれども、仲良くなった火が頑張っているから応援したんだ。
*
応援に応えたいって思う程、火は強さを加減して暗くして、
星にいる目に見えない程、小さなモノ。山にある大木だとか、
海にいる珊瑚礁を、守って過ごしたから。
でも、わずかに火にとって、それは大変な仕事だったから。
星はどんどん、心配になってしまって。火山を作って、
その中で少し眠って休んだらって、相談したというわけ。
ところが火は、そのお礼に星の驚く事を話したの。
*
宇宙にある火と火の無数の火について。
―― 日々というが無限にありそうで、明日消えてしまう。
星は言ったんだよね。どこかに行ったりしないでって。
―― 火はどこにでも行くよ。それが火だからって。
星は泣いたね。
―― 星は叫んだの。
火を消さないで。火を消さないで。赤く。紅く。
*
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