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その声は誰もが聴いた。そう教えてくれたよね。
だけど誰もが自分の悲鳴で、叫んだのは覚えているけど、
火の声を掻き消してしまったんだって。
*
火はいかなくちゃいけないって、とても言い難そうに
とても辛そうに星に言う事になったの。
それは「こんにちは。」よりも、とても難しい事で、
火は宇宙へ飛び立つ前に、小さな小枝を探してきてから、
自分を半分、燃やしてみた。
でも、わずかな時間で小枝は燃え尽きてしまったの。
だから燃え尽きないモノを探した。それがあの、わずかな。
*
水晶硝子。カラスと硝子は高く飛ぶね。しかも強い。
それに守ってもらって、火は燃え尽きない水晶に住み着いた。
この世界の果て。で。どこまで。
*
この世界の果てで。火はいつか自分を永遠に燃える自分を
わずかの間、一緒にいてくれる何かを守ろうと決めたの。
これが世界で始めて起こった出来事。多分、決意って呼ぶ。
世界の果てに、どうやって最初の何かが来たのか知らない。
知らないの?
―― だって私はもう永遠に火に埋もれたから。
僕もわずかな力を使い果たしたから。
―― そうだね。
そうかもしれない。
*
世界が明るくある時、暗くある時、火は灯りますように。
私は、この小さな水晶の中にある火を、【イデア】と呼ぶ。
【イデア】と呼ぶ。
貴女のことを、そう呼ぶ。
君のことを、こう呼ぶよ。 君のことを、こう呼ぶよ。
またね。
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