第1章

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 すると、 コロコロと転がったサイコロがピタッと止まって、 2と6の目が真上を向いて出たのです。 「おっ、 いいね、 もう一度やってごらん」  私は父親に勧められるまま、 再びサイコロを転がしました。 「1と2」  転がったサイコロは、 1と2の目を出して止まりました。 「5と6」と言うと、 ピタッと5と6で止まり、 「4と4」と言えば、 またまたピタッと4と4。  そんなことが13回続けて起きました。  父親は神妙な顔つきになって「これは何かあるな」と呟きました。  いったい、 何があるんだろう・・  私は、 そのサイコロの遊びの意味がわからず、 2と6とか言えば、 必ず2と6が出る仕組みになっているものだとばかり思っていたのです。
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