大きな目に小さな体

3/16
前へ
/121ページ
次へ
『んーーーーーーーーーー』 ゴシゴシと目をこすり起床。 『ふぁーー。…よく寝た』 次に目を開けた時は部屋の中はオレンジ色だった。 もう、窓には鳥たちの姿はない。 夕方かな………? グーーーーーー 『お腹すいた』 うちは身支度をして家を出た。 身支度と言っても動きやすいように作ったズボンを履くだけだ。 「あれ、蒼くんじゃない?」 「えっ!……ほんとだ、蒼君や!!」 「きゃぁー、蒼君よ!」 「蒼君、久しぶりだね。三日前から姿見えなかったから寂しかったよ」 朝食?昼飯?夕食?とにかく空腹を養うために甘味屋さんに向かっていると、女の人たちが声をかけてきた。 『眠たくて出て来れなかった』 そういえば3日ぶりの外か……。 ということは、あの雀たちに3日も飯抜きにさせてたのか。 明日の朝は貯まった付けを返さないと……。 「ところで蒼君、今からどちらに?」 『お腹空いたから甘味屋に』 「えっ!そうなの?だったらうちの家に来てよ。ご馳走するよ」 と、夕食のお誘いが。 「あなた!抜け駆けは許しませんよ!蒼君、私の家で鍋食べましょう?」 「ちょっと!あなたこそ抜け駆けしないでくれます!」 気づけば騒ぎになっていた。 よくあることだ。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加