大きな目に小さな体

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「私は煮物をご馳走よ!」 「私は魚の塩焼きよ!!」 『魚』 「!?…蒼君、魚の塩焼きよ」 1人の女の人がずいっと顔を寄せ復唱した。 魚……魚………魚の塩焼き。 『美味しそう』 うちが一言口にすると。 1人は喜び、後の人たちはズーンと暗くなった。 「じゃあ、行きましょう?」 そう言って、女の人はうちの手を取った。 魚…………魚…………。 『……………ごめん。やっぱり甘いもの食べたいからやめとく』 うちの大好物は魚。 それと同じくらい甘いものも好き。 今日はなんだか甘いものが食べたい気分だった。 「えっ」 『すまない』 相手の目を見て謝ると女の人は目を下ろした。 気分を悪くさせてしまったのだろうか。 だきっ!! 「もーーーーー!!蒼君のその瞳に見つめられたら何も言えないよーー!!」 ぎゅーーっと抱きしめてきた女の人。すると…。 「なに抜け駆けしてんのよ!」 「蒼君を抱きしめるなんて!!」 そう言って腕やら服やら引っ張られた。 これも良くあること。
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