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 その後、いったい何があったのだろうか。青年は全く、よく覚えていなかった。 「愚かな……暴徒を自らに取り込むなどと……」  次に目を覚ましたのは、何故かゾレン東部、それも王城の一室だった。  難しい顔をして青年を見守る国王が、起き抜けに面前にあって驚く。 「おはようございます、ライザ君。気分はどうですか?」 「……は?」 「あ、ちゃんと心臓は動いてるみたいですね? どうなるかと思いましたが、さすがに丈夫ですねー、飛竜」  隣でにこやかに控える祭祀にも、ポカンとするだけではすまなかった 「ライザ……!! 良かった、目が覚めた……!!」  ベッドに横たわる青年に飛びついた人影。それは第一峠でしばらく療養していたはずの少女で、顔は涙でくしゃくしゃだった。 「本当に死んじゃったと思った……! いなくならないでって約束したのに、バカ……!!」  泣きじゃくる少女曰く、一週間前の和平交渉の後、青年は心臓が止まった状態で川辺で発見された。  しかし体は無傷で、魔道の徒の多い東部に運ばれ、原因不明の仮死状態の治療を王城で受けていたという。 「飛竜が貴様に馴染むまで、マトモに動くことはできないそうだ。せいぜい束の間の休暇でも謳歌するといい」 「……は?」  休暇……? と、わけがわからず首を傾げる。 「君は本日付で、私の下で監視生活兼、表向きは教会系列での雑用に従事していただきます。住居は東部で用意しますので、西部に帰ることは諦めて下さい」 「――は?」 「本当は『王属』に迎えたかったのだがな……『子供攫い』の疑いなど一度でもかけられた者には、他の要職を与えることすら叶わんと、内々で煩くてな」  国王はかなり不服そうだが、完全に青年を置いて、色々と何か話が進んでいる。さすがに嫌な表情を浮かべずにはいられない。
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