いつもの金曜、午後5時半

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「おいお前らおせーよ!なかなかこねーから来てやったぞー!」 「おー土森!彼女はもういいのかー?」 「いーのいーの、どーせ3番目だし。  ……その子、どうしたの?お前の彼女?」  ツチモリ。  そう呼ばれた彼は、黒の髪、ストライプのシャツ。  そして見覚えのある顔で、さっき聞いたばかりの声をして……。  いくら酔っていても、さっきまであれほど好きだった人のことを、間違える訳なかった。  そう、何度見ても、左隅のカレだった。 「ちがうけどー、なんか逆ナンされちゃってー。  んじゃこの子も連れて行こうかーなんて言ってたとこ」 「へー、まぁいんじゃね。やっぱ女の子いると花があるしさ。  あ、おれ土森です、土森ユウジ。よろしくね」 「あ、てめー抜け駆けすんなよー!この女たらしー」 「うるせーよ、女の子が好きでなにが悪いんだよー」  頭がグワングワンする。  今まで憧れてきた彼。  クールで、真面目。  そんな風に思ってたのに。  彼の方は、わたしの顔すら覚えていなかったようだ。  ……こんな形で、名前、知りたくなかったな。
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