いつもの金曜、午後5時半

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「はぁ?お前こそなんだよ。彼女は俺たちと遊びたいって言ってるの」 「そんな風に見えてるの?ならお前らの目と耳は腐ってるな。  ……行くよ、あーちゃん」  あーちゃん。  呼ばれたことのない名前で呼ばれて、わたしはおもわずドキリとした。 「おい、待てよ。  てかお前、ウォールバンガーのバーテンじゃん!  おれお得意だぜ?そんなこと言っていいのかよ!」  その言葉に、彼、初瀬直樹は、くるりとふり返る。  さっきとはうってかわっての営業用スマイルだが、その剣幕は変わらなかった。 「いくらお得意様でも、その前に社会人としての教養を身につけてらっしゃらないお子さまには……、これ以降お出しできるお酒は、残念ながらございませんので」
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