いつもの金曜、午後5時半

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 そのあと、彼らが食い下がることはなかった。  わたしはひたすら初瀬さんに支えられながら、二人で駅へと向かった。 「あの…驚かせてしまってすみません。それに変な風に呼んでしまって。  あいつらに明日香さんの名前を知られたくなかったんですけど、あーちゃんはなかったですよね……ごめんなさい」 「あ、あの、謝らないでくださいよ!すごく、助かりましたし。  てか、わたしの方がたくさん謝らなきゃいけないです。  ごめんなさい……」  そんなわたしの言葉に、彼は優しく微笑んだ。 「……もう、いいですよ。  でも、ご自身のことだけは、大事になさってくださいね」  彼の優しさに、また涙腺がゆるんだ。  彼は少しあわてて、それから、ハンカチを手渡してくれた。  もう……、なんでそんなに優しいんですか。
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