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「……惚れたもん負けってやつですかね」
少し困ったような顔を浮かべながらも、彼は手際よくボトルを並べ出した。
シェイカーがきらりと光る。わたしは続けた。
「なんか、気になっちゃうんですよねぇ。どんな人なのかな、って。
そしたら、いつの間にか好きになってるんですもんね」
「あの方は、あまり自分のことをお話になりませんからね。
……協力できなくてすみません」
「いやいや、話を聞いてもらえるだけで嬉しいんです。
初瀬さんとお話するの大好きなんですよ。
なんか、お兄ちゃんみたいで」
あはは、と彼は笑った。
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