始まりの町へ

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ディロア!よくやってくれた!! 助かったー!!! …と心のなかで誉めたのもつかの間。 「邪魔しないでよ。いいとこだったのになぁ」 「私の由奈様に手をつけるなんて許さないぞ」 「ねぇ、さっきから思ってたんだけどいつ誰が誰のものになったって?」 私のツッコミはことごとく無視される。 「僕には、やってくれないのにディロアだけにやるなんて不公平でしょ」 「私は由奈様の側近だ!」 「あーでたでた。ディロアはそればっかり。僕だって参謀だよ?結構偉いんだけど?」 ルカッテ参謀ダッタンダ… 魔界の未来が大変不安である。 「知ったことじゃない」 「ねー、魔王様♪」 わ!急にこっちに話題を降らないで! 「な、なに」 「僕も側近にしてくださいよ。参謀の仕事だって同時にこなして見せますから」 ニコニコ、と笑うルカはしかしnoと言わせない気迫があって。 私はひきつり笑いを浮かべながらぎこちなく頷いてしまった。 しまった、と思ったけれどどうしようもない。 ディロアだけでも手に負えないのにルカまで…いや、待てよ? …側近だろうがなかろうが関係なくない? だって何だかんだいつも近くにいるもんね? 「そんな…由奈様!」 「これで同じ立場だ♪」 「くっ!この悲しみと怒りはどうしたら…」 ディロアは悔しげにそう呟くと、次の瞬間ハッとしたように顔をあげた。
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