病め医者死ね坊主

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「宮下さーん、 入ってどうぞ?」 私が診察室に入ると目の前には気だるそうな、いかにも『人生に疲れましたー』って顔をした女医さんが座っていた。 眼球を食べながら。 「あ、そんな引かない引かない。 これ飴だからね。」 たくさんのがん…飴の入った瓶から、 蒟蒻ゼリーみたいにプルプル震えるものに包まれた飴をつかんで、 ぬらぬらと光るさっきの飴の破片の付いた舌にのせていた。 「ガリッ!!ガリッ!!ガリッ!!」 口に含んだ後の噛み砕く音が飴だった。 「あー、そこの丸椅子に座って。 んで、今日は私にどのような用件ですかー?」 瓶に蓋をして、此方をじっと見つめてくる女医さん。 僻地の崖の上で診療所をやっている彼女は百々目先生と言った。 医療のセンスは抜群で、どんな病気も必ず治す実力を持っているという噂があるが… 物凄い変わり者らしい。 「あ、すいません…」 見るからに胡散臭く、 マッドサイエンティストっぽい黒ずくめの風貌が逆に本当に天才なんじゃないかと思わせた。 私はそんな彼女に不治の病を治して貰うために、ここに来たのだった。 「あ…カルテ忘れた。」 ……なんか一気に不安になってきた。
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