病め医者死ね坊主

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「あははは!! ゴンザレスさんWebデザイナーさんだったんだ。 私も絵好きですよ。 手塚治虫とか!!」 「それ漫画家ですよね?」 「あー蝉苦手なんですか? あれって揚げると海老の唐揚げ見たくなるみたいですけどね~。 今度買ってきま…」 「嫌です!!」 女医さんのその後の質問はそんな感じに私が突っ込みを入れながら、 何だかんだで楽しく進んでいった。 「ああ、知ってますよ鹿児島県!! 東北地方にある…」 「鹿児島県は九州です。」 「あらそうなんですか。 行ってみたいなあ。 ねっ、宮下さん!!」 「そうですね。 治ったら…」 治ったら。 少しだけ忘れられていた言葉が頭をよぎる。 「……」 私はそこから喋ることが出来なくなってしまった。 「……」 「…あの宮下さん、治療終わったらしたいこととかありますか?」 そう次の質問を女医さんがしてきた。 「……」 治ったらしたいこと。 私は好きなものハンバーグのこと、 嫌いな蝉のこと、 Webデザイナーのこと、 鹿児島県のこと、女医さんとの会話で思い出した事を考えた。 そう、 私は今まで『死ぬ』ということの恐怖に飲まれたくなくて、 『治るかどうか』 その事しか考えてなかったのだ。
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