始まり

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物語の背景 近年バチカンでは「悪魔崇拝(サタニズム)」の対策について、聖職者、精神心理学者、医者、教師らが意見交換が行われている。 各国のカトリック教会では性的虐待事件が相次ぎ、それらはカトリック内部に悪魔崇拝が及んだケースと見られている。 すでにカトリックの聖地バチカンにですら悪魔が入り込んでいるとう声すら挙げられている。 悪魔はすぐ側にいる。   悪魔を否定しても、悪魔から身は守れない 悪魔との戦いは続いている。   私の名前はトマス・ハモンド。聖職者だ。 当時はバチカンでも有数の大エクソシストとして知られる、ビエリーニ先生に付き、悪魔祓いの修行に励んでいた。    この物語は、私が経験した中でも特に困難を極め、そして、世界中に衝撃を与えた、日本国における恐怖の集団悪魔祓いの真相を明確に記述として残した物である。  二十一世紀初頭、日本の九州地方のとある人工二万人程度の町、その中心街から遠く離れた山間部に二百世帯程の集落があり、その集落の住民から、突如凶暴化や精神的異常などの症状がみられる様になった。 そして、その集落では家族間や近隣とのトラブル・犯罪が相次ぎ始めたのだ。    元々その集落は山間部の村であったが、開発化の進む昨今において、数年前に隣接する町に吸収される形で合併をしていた。 そもそも村民らは昔から都会人を気取った合併先の町民を嫌っており、大多数の村民は合併には反対をしていたが、県の取り決めで合併を余儀なくされてしまった経緯がある。 その為、町民を拒み、役人を好まず、自分らの集落で昔と変わらず殆どのことを済ませていた。しかし、他の地方の来客者等にはとても親切であり、心優しき人ばかりであった。 しかしながら、その為か閉鎖的であり、合併後も余り他の町との交流や、文化を取り入れてはこず、独自の文化や伝統を絶やさず、集落に住む元村民達は平和に暮らしていた。 (今後、集落を村と表記する) そんな村にいったい何が起きたのか。
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