第2話 加害者と愛

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山田祐大朗の場合 俺は公立高校に通っている。 学校での楽しみは、佐東をいじめることだった。 だけど葉羽って奴がしゃしゃり出てきやがった。 最近はその馬場をいじめている。 葉羽は、俺の友達だった。 葉羽とは中学校の頃からの友達で親同士が仲がいいこともあり、すぐ仲良くなった。 葉羽の家は、シングルマザーで生活が大変だった。 俺ん家は、市議会議員の父親のおかげで生活には困らず小遣いもいっぱいもらっていた。 高校1年で同じクラスになった。 いつも俺は帰り道に、お金がない葉羽に食べ物を奢ってやろうとした。 葉羽は、決まってこう言った。 「母さんが待ってるから早く帰んなきゃ」 俺は、どこか否定されたような気がした。 2年になると1年の頃にいじめられていたという佐東という奴と同じクラスになった。 俺は一人になるのが怖くて佐東いじめに参加した。
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