私の相棒

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ぷすぷすぷす… 俺の愛車とは言っても、その辺によくある原付バイク。そいつのエンジンを掛けたまま、ここで停まっているのには訳がある。 今いる広い道路の真ん中に、気に止めなければ、見過ごしてしまう様な小さな小さな物体が、ボロボロになって転がっていた。 まだ夜が明けきらぬ、朝早い時間だ。この形状を保っていられたのは、ひとえに、ここの交通量が特別に少ない時間帯だったからだと思う。 俺だって、点滅信号で、ちょっとばかり、スピードを落としたから気付いただけで、普段の俺なら、あっという間に、通り過ぎてしまうだろうな。 原付をそのままにして、近付いた俺が、そこに見たのは、街中でよく見かける小さな鳥。 「こいつ、確かスズメって言うんだよな。ボロボロじゃん、可哀想に…。」 そのままにしておいても構わなかったんだよな。別に、俺の飼ってるペットでもないんだから。 …なのに、この時は、このままにしておけない。そう思ったんだ。 そっと手のひらに乗せたそいつが、微かに動いた気がした。 「…動いた?…生きてるのかな?」 俺は、手のひらに乗せた、まだ、ほんのりと温かい小さな鳥を、気紛れで、家に連れて帰ることにした…。
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