第2章

4/6
前へ
/224ページ
次へ
確かに低い。 服を交換しただけで鬼灯さんか白澤様か区別 出来ないなんて。 「その鬼女って…」 「んーと、異動したてで今日は歓迎会のために居酒屋に来たんだ。 ってその美人さんの上司が教えてくれた」 「つまり、白澤様を見るのも鬼灯さんを見るのも初めてだった訳ですね?」 「その通り」 全く困ったちゃんだよね~。 その子も噂を流した子も。 「で、酔いも覚めちゃったから そのまま解散。 僕はこうしてここに居る」 体を起き上がらせてビローンと着物を広げる。 「って鬼灯さんの服そのまま着て来ちゃったんですか?」 「うん、桃タローくんに見せたくって」 「いらねーッスよ、そんなもん!つーか、鬼灯さんに返して来なさいよ! 鬼灯さん今頃困ってますよ!」 誰かこれ上司をどうにかしてくれ、急ぎ包んだ薬を荷物に背負う。 「それには及びません」 スラリと戸が開く。 そこには白澤様の服を着た鬼灯さんが。 「全く恥をかきましたよ。 おかげで酔いも覚めてしまいましたし」 そんなに私達 似てますかね? コテン と首を傾げる。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加