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「にてる?」
「煮てますよ」
「じゃあ聞くけど、何煮てるの?」
「見て解りませんか?亡者ですよ」
グツグツと不気味な匂いと音が奏でるハーモニー…。
失礼、闇鍋のようなものを煮込んでいる鬼灯。
「まさかとは思うけど、僕に食べさせるためじゃないよね?」
これを食べろと言われたら遠慮して置きたい。
いくら亡者の脳みそが珍味だとしてもだ。
「そんな勿体無い事しませんよ。作った手前、目の前で吐かれたら私とて塞ぎ込みます」
食べさせられた方も塞ぎ込むのでは?
匂いと表すより悪臭と表した方がぴったりじゃないかと思うほどの臭さだ。
一体どんな味がするのだろう?
という興味はあるが、食べようとは思わない。
鬼灯は目の前で吐かれたら塞ぎ込む、と言った。
という事は僕が食べて体調を壊したら落ち込むのだろう。
「心配してくれたんだね?」
ぎゅーと後ろから抱きしめる。
「/// ちょ……動きづらいじゃないですか。
って腰に手を回さないで下さい」
「いいじゃない。たまには」
ゴロゴロと猫のようにジャレる。
「誰か来たら離れて下さいね?」
ため息を付きつつも誰も来なければいいのにと思う。
「ウォーアイニー、鬼灯」
チュ 首筋から唇へとキスを贈る。
しばらく鬼灯に用事がある者、
白澤を呼び戻しに来た者は、
余りの甘ったるい空間に入ろうとする者は居なかったそうだ。
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