第3章

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「ふふふ、どう致しまして」 といいつつ、白澤さんは近くにある岩辺に腰掛ける。 ガサゴソと買ったばかりのお好み焼きを取り出す。 「ハイ、あーん」 語尾にハートマークがつけたように甘い空気を作り出すが、 この際気にしない。 周りにはカップルもチラホラといる。 こちらに気付く者どもは居ないでしょう。 私は立ったままなのも行儀が悪いので、白澤さんの隣に腰掛け、 箸を持ったまま今か今かと待ちわびるように自身の口を開ける。 ハフハフ。んーこのお好み焼き美味しい。 誰が作ったのでしょう? まぁ、美味しけりゃ何でもいいか。 「美味しい?」 「ええ。けど白澤さんの手料理には負けますね」 「///…謝謝」 素直に褒めると瞬く間に頬を染める白澤さん。 どころ構わず誰かにその笑顔を向けないで下さいね。 私だけを映せばいいのです。 私だけを。 そうすれば貴方は、 貴方だけの世界に私だけを見て下さるでしょう? 何も考えずに私だけを…ね。 って我ながら恥ずかしいですね。 どうも白澤さんと一緒にいると、 良くて和み、悪くてほぐされるんですよね。 あんなに喧嘩が絶えなかったのに。 あんなに互い同士 嫌いだと言い続けたのに。 今は不思議と恋仲になって。 何がキッカケなのか忘れてしまいましたが、 隣に誰かが居る幸せを知った。 居ないと探してしまうくらいには心配になる。
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