第3章

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「で、どこへ行っていた?」 ゴホンッ咳払いを一つ。 先程の失態(抱き付きを目撃してしまったであろう部下達に見た事を忘れてしまいなさい。 口外したらどうなるか解っていますよね?)を伝えたものの、少々気掛かりだ。 「どこって言ったじゃん」 「私は聞いていません」 「けど、言ったよ。桃タローくんの所に行くって」 店の様子を見にね。 「繁盛していました?」 「悔しい事に僕が売り捌くより桃タローくんが捌いた方が売り上げがいいんだよ」 ハンカチを取り出して悔しそうに噛み締める白澤さん。ザマァ。 「今ザマァミロって思ったでしょ」酷いや。 「さて、なんの事やら」 ガサゴソと懐を探し、カチッと懐中時計を見る。 そろそろ時間だ。 「白澤さん」 「何?」 「念のため確認しますが、ちゃんと覚えたでしょうね?」 「勿論。覚えなきゃお前にフルボッコにされるのは目に見えてるし」 「宜しい。では、参りましょう」 メインステージとなる場所にはすでに集まっている皆々。 以前の私は九十九髪が宿った太鼓を打ち鳴らしていた。 その下で大王や部下達が踊っていましたね。 今回は私もその中に入りたいと思い、仕事…もとい大王に振り回されぬよう練習をしてきた。 鬼の私だって楽しみたいじゃありませんか。 せっかくの祭なんだし。 「えー…僭越ながら曲は私が選びました。皆々様、楽しみつつ御協力頂き有難うございます。 始めましょう」 曲はBad Apple どんな曲か解らない方はググッて下さい。
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