第5章

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「さけたーさけたー♪」 「…珍しいな。お前が歌を歌うなんて」 「そう…ですか?」 コテンと首を傾げる。 言われてみれば、そうかも知れない。 「天変地異の前触れか?って思うぐらいには」 「…酷い。白豚の為に心を込めて歌ったのに」 よよよ、と顔を隠して泣き真似を。 「僕の名前は白澤な。 で、どの辺が僕の為なんだ?」 今の現状を言うならば、 辺り一面に僕の血が広がり、 身体は真っ二つのように裂けているのだ。 神獣なので回復途中ではあるが。 「鬼灯」 「白澤さんが浮気しない為の歌です。また裂けられたくないでしょう?」ニヒルな笑みを浮かべる。 「僕が全部悪いって訳?」 「ええ。ちゃんと待って居なかった白澤さんが悪いのです。 私は電話でしっかりと伝えた筈ですよ。仕事が一段落ついたので早く着けそうですって」 それなのに着いてみれば、貴方は居なく花街へ行ったと桃太郎さんから聞いて、 私の心情なんて解らないのでしょうね。 「…悪かったよ。 けど、僕の言い分も聞かないで裂く事はないじゃない」 「どうせ、人肌が恋しくて花街へ行ったのでしょう? 何千年 一緒に居ると思っているのです?」 フンと鼻を鳴らす。
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