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「さけたーさけたー♪」
「…珍しいな。お前が歌を歌うなんて」
「そう…ですか?」
コテンと首を傾げる。
言われてみれば、そうかも知れない。
「天変地異の前触れか?って思うぐらいには」
「…酷い。白豚の為に心を込めて歌ったのに」
よよよ、と顔を隠して泣き真似を。
「僕の名前は白澤な。
で、どの辺が僕の為なんだ?」
今の現状を言うならば、
辺り一面に僕の血が広がり、
身体は真っ二つのように裂けているのだ。
神獣なので回復途中ではあるが。
「鬼灯」
「白澤さんが浮気しない為の歌です。また裂けられたくないでしょう?」ニヒルな笑みを浮かべる。
「僕が全部悪いって訳?」
「ええ。ちゃんと待って居なかった白澤さんが悪いのです。
私は電話でしっかりと伝えた筈ですよ。仕事が一段落ついたので早く着けそうですって」
それなのに着いてみれば、貴方は居なく花街へ行ったと桃太郎さんから聞いて、
私の心情なんて解らないのでしょうね。
「…悪かったよ。
けど、僕の言い分も聞かないで裂く事はないじゃない」
「どうせ、人肌が恋しくて花街へ行ったのでしょう?
何千年 一緒に居ると思っているのです?」
フンと鼻を鳴らす。
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