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「さいたーさいたーチューリップの花が♪」
「なーらんだーなーらんだー赤白黄色 どの花見てもー綺麗だなぁ(バリトン)♪」
「チューリップの歌を歌っているんすよね?」
「そうですけど?」
「何で先輩達を着飾って?」
今の現状を説明するとこうだ。
白澤様と鬼灯さんが2人仲良く兎先輩の頭の周りに赤白黄色のリボンやら小物を付けている。
側から見たら可愛らしい姿に見えるのだが、いかんせん、
鬼と神獣が嬉々として作業するその姿は睦まじい姿にも見えなくない訳で。
俺、視力悪くなったかなぁ?
適度に突っ込み入れる自信があった筈なのに、その気さえ起きないし。
感化されているのだろうか?
「…こう着飾る事で兎達も可愛らしくなるじゃないですか」
それは解る。でも先輩達にとって邪魔じゃないですかね?
「解ってないなぁ~桃タローくんは。女心が解ってない!」
あんたにだけは言われたくないっす。
「ハイ出来たー♪」
皆可愛くなったよー。
パァーッと周りに花を咲かせたように兎達に笑いかける白澤様。
「…俺、薬草取りに行きますね」
「「行ってらっしゃい、気をつけて(下さい)ね」」
2人揃ってお見送りを受けた俺は、
籠を背負い地獄へと向かう。
今日も桃源郷は平和のようです。
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