第5章

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「豚に教えて貰わずとも解っていましたよ、ワザとです」 「本当可愛くない」 「鬼の私が可愛くなったとして、貴方は嬉しいですか?」 妄想する白澤。 あーんな事やこーんな事まで。 「…ヤバイ萌えるかも」 下部が熱くなり始める。 うん、僕ヤバイ。 「ちょっと待って、どんな想像した?!イヤらしい妄想の類なら、 この手で成敗しますよ」 「既に金棒の餌食になっているんだけど、これ以上に何する気?」 顔面に振り落とされた金棒を退かしつつ、作業台近くの椅子に座る。 あと、鼻血が出ていたので拭うのを忘れない。 そして、改めて鬼灯が持参して来たもとい土産を繁々と見る。 稀に薬草取りに下界へ降りる時がある。 その時、名酒と名高い酒があると聞いた事があった。 ただ、それがどんな名前の酒なのか覚えておらず、いつかまた今度と思ってしまうのだ。 他者とは違い僕には時間が沢山ある。あり過ぎて退屈してしまう位に。 …この酒は僕が聞いた名酒だろうか? いやいや、忘れてる時点で‘聞いた’は語弊はあるか。 けれど聞かずにはいられない。 僕は知識の神、白澤なのだから。 そしてその知識を我が物にする為に増築させる。それでこそ僕だ。
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