4人が本棚に入れています
本棚に追加
「豚に教えて貰わずとも解っていましたよ、ワザとです」
「本当可愛くない」
「鬼の私が可愛くなったとして、貴方は嬉しいですか?」
妄想する白澤。
あーんな事やこーんな事まで。
「…ヤバイ萌えるかも」
下部が熱くなり始める。
うん、僕ヤバイ。
「ちょっと待って、どんな想像した?!イヤらしい妄想の類なら、
この手で成敗しますよ」
「既に金棒の餌食になっているんだけど、これ以上に何する気?」
顔面に振り落とされた金棒を退かしつつ、作業台近くの椅子に座る。
あと、鼻血が出ていたので拭うのを忘れない。
そして、改めて鬼灯が持参して来たもとい土産を繁々と見る。
稀に薬草取りに下界へ降りる時がある。
その時、名酒と名高い酒があると聞いた事があった。
ただ、それがどんな名前の酒なのか覚えておらず、いつかまた今度と思ってしまうのだ。
他者とは違い僕には時間が沢山ある。あり過ぎて退屈してしまう位に。
…この酒は僕が聞いた名酒だろうか?
いやいや、忘れてる時点で‘聞いた’は語弊はあるか。
けれど聞かずにはいられない。
僕は知識の神、白澤なのだから。
そしてその知識を我が物にする為に増築させる。それでこそ僕だ。
最初のコメントを投稿しよう!