第5章

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「これ名高い酒だよな?」 尋ねると言うよりは確認に近い質問。 はぁーと大きな溜息を吐かれる。 「何だよ」 「何だよ、はこちらの台詞です。暫く悶々と考えていると思って放って置いたら、くだらない質問に呆れただけです」 今日10/1は日本酒の日なんです。新米が実り、その新米で酒造りを始めるのが10月でして、酌・酔・釀など、‘酒’に関連する漢字に共通する‘酉’は酒壺を表す象形文字で、 十二支の10番目である事から10月は‘酒の日’と言われる事もあるそうです。 また、10月を意味する‘神無月’は一説に‘醸成月’=新穀で新酒を醸す月からの転声とも言われ、日本酒にとって区切りとなる大切な月なのです。 「へぇ~知らなかった。で、これは新米で作られた酒であると」 「ええ、どうせなら貴方と飲みたいと思いましてね」 「それはどうも。 それにしても珍しい。明日は槍が降るのかな?」 「降らしてやらん事もないですよ。ただ納期はしっかり守って下さいよ」 「この鬼」 「鬼ですが、何か?」 ほら、酒に合うつまみでも作って下さい。 お腹空いてるのですから。 「僕、給食のおばちゃんじゃないのになぁ~」 まぁいいかと思えてしまうのは、 こいつとの付き合いが長いからで。 こいつの好きな味や香りを知らず知らず作ってしまうのは、 惚れた弱みとでも言えばいいのだろうか? まぁ、楽しけりゃいいか♪image=493819943.jpg
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