第6章

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「お前にぴったりな競技じゃん。チーム戦にしなくても余裕で勝てるんじゃない?」 よっこらしょといいながら穴から這い出る。 這い出た体には土が所々についていて、 パタパタと叩きながらもう一度落ちないように細心の注意を払う。 また落ちてもつまらないし。 というか、もう一つあります。 ってオチ無いよな? あったら泣くぞ。幾ら温厚な僕でも。 「確かに私にぴったりな競技でしたよ」 「…でした?参加したのか?!」 「ええ、地獄地区代表として」 どんな地区代表だ。 内心に突っ込みを入れながら、 それにしてもと思う。 「良く参加出来たな。 擬似薬飲んで参加したのか?」 「いいえ、そんなハンデを負うのは嫌でしたので、 鬼のまま参加しました」 帽子被っていれば鬼だとバレませんので。 嗚呼、でも一緒に参加した幼馴染み達は擬似薬を飲みましたね。 「えっ…と天パの3本角の子と金髪でストレートの2本角の子?」 「アバウトな表現ですが、その2人であっています」 「お香ちゃんも参加させたの?」 「‘仲良し幼馴染みとして参加させて下さい!’と言われましたが、 せっかくのお召し物が汚れてしまう可能性がありましたので遠慮して頂きました」 ペタペタと先程、僕が埋まった穴を埋めて行く鬼灯。 最初から作るな。といいたい。 「それで結果的にどうだったの?」 「…惨敗でした」 フッと笑うその陰には、 明日のジョーを思わせるように背景が真っ白に。
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