第1章

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「かみきっていい?」 しばらく聞かなかった言葉を数日振りに聞く。 ここは私の部屋で、仕事部屋で、寝室でもある。 余談だが、徹夜続きの後は死人のように数日間 眠り続けました。 今度は何を切りたいのですか? 溜息混じりに尋ねると、白澤さんがニタァと笑う。 ゾクッと背筋に嫌な汗が伝う。 ガタガタと体が震え始まる。 白澤さんの周りからは ただならぬ大きな気を感じる。神気だ。 恐怖とても言えばいいのか、興奮とでも言えば良いのか良く解らない感覚が襲う。 「大丈夫…壊れないようにするから…ね?」 安心させるように甘く言葉を吐く奴。 そして何度も優しく頭を撫で、 啄むようなキスから濃厚なキスを贈られる。 「大丈夫じゃ…ないです。だって……」 私はもう白澤さんあなたに溺れているのですから。
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