紫陽花の殺意【乱入】

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 友達って何だろう。 一緒に話せる人? 一緒に遊べる人? 唯一緒にいる人? 友達というものが僕にはいないので良く判らなかったけれど、彼女は僕の事を初めて友人と読んでくれた。  「お友達だよ」  “おともだち?”  「ママには内緒だよ」  “お母さんには内緒なんだ…”  生まれて初めて見た、彼女が見せた太陽のような笑顔。眩しくて、キラキラしてて、幸せそうだった。 蝸牛の殻より重たいものを小さな体に背負っていた子供が、こんな表情も出来るんだ。 けれど、少し不思議な子なのかも知れないと思う。 僕達蛞蝓は、人間の視界に入るだけでキモイとかキタナイと言われ、 まるで、生きている事自体が罪のように僕達を忌み嫌い、遠ざけるのに、 彼女はそんな様子は一切見せる事無く、僕達に興味津々だった。 そして彼女“月香ちゃん”は何より僕達についてよく知っているようでもあった。
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