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魔力がした方へと行くと、狼数匹に囲まれているボロボロな少年がいた。
咲「うわー、やばいかんじ?」
狼達が、少年に噛みつこうとしたとき、
咲「とりあえず、ファイヤーウォール!」
少年の周りに炎の壁が出来た。狼達は炎の壁に現れたことに驚き、森の中へと逃げていった。
咲命は、少年の方に近づいた。
咲「大丈夫?」
声をかけられた少年は驚いたように、咲命を見た。
少年「…何、で、俺を、助け、たんだ…?」
咲「何で助けちゃいけないの?」
少年「…俺は、魔盲、で、捨てられた、んだ。」
咲「っ!…そっか、つらかったね。」
咲命は、少年を抱きしめた。少年はビクッと身体を震わせた。
少年「ちょ、何、して……」
咲「僕もね、君みたいに捨てられたんだ。物心つく前に。」
少年はびっくりしたように抱きしめている咲命を見た。
少年「えっ?何、で?」
咲「僕は、銀髪で蒼眼だったから、親が気味悪がって捨てたんだ。育ててくれた所でも、遠目で見られながら生きてきた。捨てられたのは君と一緒。だから、大丈夫。泣いて良いよ。」
少年「あう、う、うわあぁぁぁー!」
咲命は、少年が泣き止むまで、ずっとずっと抱きしめていた。
──────────
しばらくして、泣き止んだ少年と自己紹介する事にした。
咲「じゃ、僕からね。僕は、サクヤ・シロカミだよ。よろしく。きみは?」
少年「俺の、名前は捨て、られたから、ない。でも、家は、貴族の、ダーク家、だった。」
咲「そっか、なら、僕が名前付けていい?」
少年「うん。」
咲「んーー、じゃ、レイ!……君はレイ・シロカミだよ!だから、僕と家族になろう」
少年?レイ「…レイ……俺は、レイ・シロカミ……よろしく、姉さん。」
咲「うん!これからよろしく、レイ!」
レイが家族になった瞬間だった───
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